目次
一般NISAとは?
一般NISAもつみたてNISAと同じく、あなたの将来の備えや資産防衛手段の一つとして、少額から投資ができ、投資をして得た利益に対して税金がかかりませんよという制度です。
NISA制度の初めは、この「一般NISA」だけだったんですが、投資初心者や幅広い年齢層に活用してもらえるよう「つみたてNISA」ができました。そう考えると、「一般NISA」は中級者向けというふうに考えられるんですが、初心者の方でも活用はできるので、検討してみてもいいかもしれません。
どんな人ができるの?(利用できる方)
一般NISAを利用できる人は、2022年までなら20歳以上の方、2023年以降なら18歳以上の方が利用できます。(口座を開設する年の1月1日現在)
何に投資するの?(何を買うことができるの?)
一般NISAであなたが投資(買うことが)できる商品は「国内株式・外国株式・投資信託・国内・海外ETF、ETN(上場投資証券)、国内・海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)」になっています。つみたてNISAとの違いは投資信託以外にもいくつか買うことができる商品がある点です。
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何に対して非課税なの?(非課税対象)
あなたが投資した商品(買った商品)から得た「売却益」や「配当金・分配金」にたいして非課税(税金がかからない)ということになります。
いくらまで非課税なの?(非課税投資枠)
新規投資額で毎年120万円が上限になっています。
例1)2022年1月1日から12月31日の間に120万円しか投資できません。
例2)2022年1月1日から12月31日の間に、仮に100万円しか投資をしなかった場合。120万円から100万円を引いた残り20万円を、2023年の120万円と足して利用するということはできません。
払出しについて
一般NISAは、いつでも払出し・売却が可能です。ただし、一度払出し・売却した分の枠を、また新たに使用することはできません。
例えば、1月に40万円、8月に60万円を使い、9月に40万円を払出し・売却をしたから、その分10月以降に新しく商品を買うことはできません。
いつまでできるの?(投資可能期間)
一般NISAを利用できるのは2023年開始分までになってます。(2022年9月現在)
一般NISAはつみたてNISAと違い非課税期間が短いため、各年の非課税期間が終了したら翌年の非課税期間の投資枠に移管(ロールオーバー)することができます。
例えば2018年に100万円を投資して、非課税期間(5年間)終了のの翌年2023年の非課税枠(120万円)の枠に移管することができます。(表1参照)
期間はあるの?(非課税期間)
一般NISAの非課税期間は最長5年間です。(表2参照)
2019年分から非課税期間(5年間)が終了したら、新NISAへ移管(ロールオーバー)できるようになります。
ロールオーバーについて
ロールオーバーとは、「一般NISA」「ジュニアNISA」そして「新NISA」の非課税期間が終了した時、それぞれ保有している金融商品(あなたが買った商品のこと)を、翌年の非課税投資枠に移管(移すこと)することができることをいいます。
例1)非課税期間が終了する時、あなたが買った商品の価値(投資した商品は値段が変動する)が60万円だった場合、翌年の非課税枠(120万円)にロールオーバーすることができるんですが、120万円のうちの60万円の枠を使うことになるので、翌年、新規に投資できるのは残りの60万円になります。(図1)
例2)非課税期間が終了する時、あなたが買った商品の価値が(投資した商品は値段が変動する)140万円になっていた場合、その全てを翌年の非課税投資枠としてロールオーバーすることができるんですが、この時翌年の非課税枠(120万円)を使い切ることになるので、翌年は新規で投資することはできません。(図2)
ロールオーバーしなかったら?
一般NISAで非課税期間が終了する時、一般NISA口座を開設している証券会社と同じ証券会社で特定口座を開設している場合、特に手続きをしなくても特定口座に移管されます。(仮に一般口座に移管したい場合は別で手続きが必要になります)
簡単にいうと、ロールオーバーしないと、その後は税金がかかる口座に移されますよということになります。
非課税期間終了時点が、あなたが保有している金融商品(買った商品)の新しい所得価格になります。なので、ロールオーバーをせずに課税口座(特定口座・一般口座)に移った後は、あなたが保有する金融商品がその新しい所得価格から値上がりした場合に売却すると利益になるので税金がかかりますが、値下がりした場合に売却すると税金はかかりません。
一般NISAの注意点
非課税期間終了時の注意点
一般NISAから課税口座(特定口座・一般口座)に移った場合に注意が必要なんですが、一般NISAの中で買ったあなたが保有している金融商品が、非課税期間終了時に値上がりしているのか値下がりしているのかで、その後の売却時にかかる税金が大きく変わる可能性があるということです。
どういうことかというと、
パターン1 非課税期間終了時に保有資産(商品)が値上がりしていた場合
一般NISA口座で商品を100万円で購入し、非課税期間(5年間)終了時に150万円に値上がりしていたとします。
この時点で一般NISA口座から課税口座(特定口座・一般口座)へ移した場合、この150万円が新しい所得価格になります。
その後
① 新しい所得価格150万円から180万円に値上がりし売却した場合、利益の30万円(180万円-150万円)に課税されます。
② 仮に新しい所得価格150万円から120万円に値下がりし売却した場合、利益がないので税金はかかりません。
初めから課税口座で商品を100万円で購入し、180万円で売却した場合、80万円(180万円-100万円)の利益に課税されることになります。一般NISA口座から課税口座へ移した場合(①の30万円)と比べると利益が大きいため、引かれる税金も多くなってしまいます。
パターン2 非課税期間終了時に保有資産(商品)が値下がりしていた場合
注意が必要なのは、非課税期間終了時に保有資産(商品)が値下がりしていた場合です。
例えば、一般NISA口座で商品を100万円で購入し、非課税期間終了時(5年間)に80万円に値下がりしていたとします。この時の80万円が新しい所得価格になります。
その後
① 新しい所得価格80万円から120万円に値上がりし売却した場合、利益の40万円(120万円-80万円)に課税されます。
② 仮に新しい所得価格80万円から60万円に値下がりし売却した場合、利益がないので税金はかかりません。
初めから課税口座で商品を100万円で購入し、120万円で売却した場合、20万円(120万円-100万円)の利益に課税されることになります。一般NISA口座から課税口座へ移した場合(①の40万円)と比べると利益が大きいため、引かれる税金も多くなってしまいます。
結局何が言いたいのかというと、一言で言えば、一般NISAを活用したとしても非課税期間終了時(5年間)、商品の価格が買った時より値段が下がる可能性があるということ
そしてそのまま課税口座に移した後、初めから一般NISAを利用していない時と比べると、利益が大きくなってしまうため税金も多くなってしまう可能性があるということです
この二つの可能性を十分理解しておきましょう。
金融機関の変更について
金融機関の変更は可能ですが、変更をしようとする年の9月末までに、金融機関で変更の手続きを完了させる必要があります。 また、その年にすでにNISA口座内で金融商品(株式や投資信託など)を買っていた場合、変更できるのは翌年の投資分からになります。
金融機関の変更をした場合、変更前の金融機関のNISA口座で、追加で金融商品の購入はできなくなるので注意が必要です。
年単位で「つみたてNISA」と「一般NISA」の変更も可能です。原則として、変更する年の前年の10月から12月の間に金融機関で変更の手続きを完了させる必要があります。
非課税の対象となる配当金・分配金
国内上場株式の配当金、ETF・REITの分配金は、証券会社を通じて受け取る場合(株式数比例配分方式を選択している場合)のみ非課税となります。
まとめ
今回は「一般NISA」について解説してきたんですが、2024年以降新しいNISAに変わります。そして「つみたてNISA」の記事で書いているんですが、税に関する制度の見直しがあった場合、また新たにNISA制度が変わることが予想されます。
これから投資を始めようと考えている人にとっては、そもそも今のNISA制度を理解することで精一杯の中、投資する商品についても理解していかなければいけないですし、それに加え、またNISA制度の内容が変更となると、パニックになり投資を始めることからまた遠ざかってしまう恐れが出てきました。
だけど安心して下さい。これからも、役に立つ投資と経済について僕なりに分かりやすく解説していこうと思います。もし分からないことがあれば遠慮なくお問合せ下さい。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。
今後も投資や経済について、分かりやすく解説し情報発信していくので参考にしてもらえると嬉しいです。
参考元:一般NISA|金融庁、NISA(ニーサ):少額投資非課税制度|楽天証券
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